私はバンクーバーでCo-op留学をスタートしました。ある程度、バンクーバーについては事前に調べていたつもりでした。
実際に1年暮らしてみると、ホームレスや薬物中毒者の多さ、アジア人比率の高さ、そして雨の日の多さに、次第に疲れを感じるようになりました。
さらに、バンクーバーでの生活に慣れるにつれ、「顔見知り以上・友達未満」の中途半端な知り合いも増えました。
もともと一人でいる時間を大切にしたい私にとって、これもまた小さなストレスの積み重ねになっていきました。
学校生活もマンネリ化し、どこかモヤモヤした気持ちを抱えていたとき、
「Co-op期間中は、カナダ国内であれば好きな都市で働ける」というアドバイスをふと思い出しました。
そして、座学期間を終えインターン期間に入るタイミングで、

よし!引っ越そう!
環境を変えたいと思った私は、都市を変える決断をしました。
バンクーバー留学のメリットとデメリット
バンクーバーに住む前は、「都会と自然がバランスよく共存するきれいな街」というイメージを持っていました。
実際に1年間住んでみて、良かった点ももちろんありましたが、同時に、想像していなかったギャップにも直面しました。
ここでは、私が実際に感じたバンクーバーのメリットとデメリットをまとめてみます。
メリット | デメリット |
---|---|
カナダの中では比較的温暖 日本人(アジア人)コミュニティが大きい 都市と自然の融合 交通が便利 日本人向けの店が多い | 日本人(アジア人)が多い 物価が非常に高い ホームレス・薬物中毒者が多い 雨が非常に多い |
1年住んでみて、私にとってはデメリットの方が大きく感じられました。
特に、もっとアジア人が少ない場所で生活したかったこと、そして、毎日のように見かけるホームレスや薬物中毒者や雨で気分が憂鬱になることが、バンクーバーを離れたい大きな理由になりました。
カルガリーを選んだ5つの決め手
バンクーバーを離れると決めた後、私はGoogle検索やYouTubeの動画、そして知人からの情報を集めて、次に住む都市を真剣に探しました。
その中で「ここなら新しいスタートが切れそうだ」と感じたのが、カルガリーでした。
ここでは、私がカルガリーを選んだ5つの理由を紹介します。
- 日本人が少なく、カナディアンが多い
- 小さな都市ながら仕事の需要が安定している
- 物価が安い
- 天気がいい
- 街がきれい
① 日本人が少なく、カナディアンが多い
リサーチ段階で、カルガリーは日本人コミュニティが小規模だと知りました。
英語を使う環境で生活したい私にとって、カナディアンとの接点が多いことは大きな魅力でした。
② 小さな都市ながら仕事の需要が安定している
カルガリーはバンクーバーやトロントに比べると規模は小さいですが、飲食店、小売、ビジネス関係など、雇用も安定していると知り、安心感がありました。
③ 物価が安い
生活コストの違いも1つの理由です。家賃や食費など、バンクーバーに比べてかなり安く、同じカナダでもここまで違うのかと驚きました。
④ 天気がいい
冬の寒さは覚悟していましたが、それ以上に晴れの日が多いという情報に惹かれました。
バンクーバーでは雨の日が続くと気分が落ち込みがちでしたが、カルガリーは乾燥していて、青空が広がる日が多いと聞き、前向きな気持ちになれました。
⑤ 街がきれい
都市の規模に対して、カルガリーはとても整備されていて、清潔感があるという評判も決め手のひとつでした。
実際、写真や動画で見る街並みは、思っていた以上にきれいで、暮らしやすそうな印象を受けました。
もちろん、カルガリーの冬の寒さには多少の不安もありました。
ただ、それ以上に、
「とにかくバンクーバーを出たい」
「新しい場所で再出発したい」
という気持ちが強く、カルガリーへの引っ越しは私にとってわくわくの気持ちでした。
Co-op留学中の都市変更について
私のように、座学期間(学校に通う期間)が終わった後に都市を変更したいと考える留学生は、数は多くないものの、一定数います。
まず結論から言うと、カナダ国内であれば、基本的にどの都市へ移動しても問題ありません。
ただし、注意点があります。
学校から送られてきた注意事項
実際に私が学校から受け取ったメッセージには、次のように書かれていました。
It is very important to inform the Co-op Department if you plan to move to a different province. As outlined in the co-op orientation and pre-placement sessions, students are only permitted to leave after securing a job and signing the Work Experience Agreement. This helps us continue supporting you effectively. We recommend that you stay in regular communication via email.
「別の州に移動する場合は、必ずCo-op部門に報告することが非常に重要です。オリエンテーションや事前セッションで案内した通り、学生は仕事を確保し、ワークエクスペリエンス契約書にサインした後にのみ、移動が許可されます。このプロセスを守ることで、私たちも引き続き効果的なサポートができるようになります。Eメールで定期的に連絡を取り合うことを推奨します。」
私の実際の行動
正直に言うと、私はこのルールを守りませんでした。
というのも、バンクーバーにとどまる気持ちは、もう一切なかったからです。
「絶対にバンクーバーを出る」と心に決めていた私は、冷静に考えても、バンクーバーにいながらカルガリーの仕事をオンラインだけで見つけるのは難しいと感じていました。
最悪の場合、仕事が見つからず、バンクーバーに居続ける未来も想像できていました。
そんな状況を避けたかった私は、まだ仕事が決まっていない段階で、先にカルガリーへ引っ越すという決意を固めました。
(※これは学校が推奨している正式な手順ではありません。リスクもあるため、誰にでもおすすめできる方法ではないことをあらかじめお伝えしておきます。)



後から忠告は受けましたが、ペナルティなどは何もなかったです。
引っ越しのコストと手続き
バンクーバーではフィリピン人のホストファミリーのもとでホームステイをしていましたが、
カルガリーではカナディアンの家庭にホームステイしたいと思い、引っ越し先探しも兼ねて新生活の準備を進めました。
カルガリーのホームステイ探しについては、以下の記事で詳しく解説しています。


引っ越しにかかったコスト
- 航空券代(Air Canada利用)
バンクーバー→カルガリー片道で約75ドル。 - 荷物超過料金
キャリーケース2つを預けたため、追加で約90ドル。 - 空港から新居までの移動費
公共交通機関を利用して、約8ドル程度。
合計:約173ドル前後
医療保険の登録手続き
アルバータ州では、AHCIP(Alberta Health Care Insurance Plan)という州の医療保険に加入する必要があります。
この保険に登録すると、病院で診察を受けた際などにかかる医療費の多くがカバーされ、安心して生活できるようになります。
私もカルガリーに到着してから、次の流れで手続きを進めました。
登録の条件
まず、ビザ(Study Permit)の残り期間が1年以上あることが登録の条件になります。私も申請する前に、ビザの有効期限をしっかり確認しました。
登録に必要だった書類(私のケース)
- パスポート
- Study Permit(学生ビザ)
- ホームステイ先の住所が確認できる書類(契約書やレター)
これらを持って、近くのレジストリーオフィス(政府窓口)に直接行き、申請を行いました。
実際に住んで感じたカルガリー生活のメリット・デメリット
カルガリーに引っ越してから数カ月、実際に生活してみて感じたことをまとめてみます。
ここでは、リアルな生活感をもとに、カルガリーのメリットとデメリットを正直に書いていきます。
メリット | デメリット |
---|---|
カナディアンが多い 天気が良い日が多い 物価がバンクーバーより安い 自然が豊かでアクセスしやすい ホームレス・薬物中毒者少ない 街全体がきれい | 冬は本当に寒い 遊べる場所は少ない 交通の便はバンクーバーには劣る |
カルガリー生活のメリット
まずは、住んでみて特に強く感じたメリットから紹介します。
- カナディアンが多い
- 天気がいい日が多い
- 物価がバンクーバーより安い
- 自然が豊かでアクセスしやすい
- ホームレス・薬物中毒者が少ない
- 街全体がきれい
1つ1つみていきましょう。
メリット① カナディアンが多い
バンクーバーでは、街を歩けば日本語や中国語が普通に聞こえてくる環境でした。
一方、カルガリーは圧倒的にカナディアンが多く、「カナダに来たんだ」という実感がより強く感じられます。



バンクーバーのカナディアンも親切でしたが、カルガリーの人たちはさらにフレンドリーで、初対面でも気さくに話しかけてくれることが多いと感じました。
メリット② 天気がいい日が多い
カルガリーは晴れの日がとても多い街です。
私自身、引っ越してから半年の間に雨を見たのはほんの数回。
晴れの日は日差しが暖かく、冬でも太陽が出ているだけで体感温度が全然違います。



バンクーバーの連日の雨に疲れていた私にとって、この快晴の多さは本当にありがたかったです。
メリット③ 物価がバンクーバーより安い
生活費も大きな違いを感じたポイントです。
ホームステイや食費、日用品などを含め、バンクーバー時代より月300ドルほど生活コストを抑えることができました。
カルガリーの生活費については以下の記事で詳しくまとめています。


メリット④ 自然が豊かでアクセスしやすい
バンクーバーも自然が豊かな都市ですが、カルガリーはさらにスケールが大きく、バンフ国立公園をはじめとする大自然に週末気軽にアクセスできます。



バスやツアーも充実していて、行こうと思えば毎週バンフに行けます。
メリット⑤ ホームレス・薬物中毒者が少ない
カルガリーにもホームレス問題はありますが、バンクーバーに比べると体感では5分の1以下。
街中で薬物使用者を目にすることも少なく、日常生活での緊張感が圧倒的に減ったと実感しています。



これだけでも、安心感はかなり違いました。
メリット⑥ 街全体がきれい
カルガリーは新しいビルや整った街並みが多く、近代的な雰囲気があります。
特に、ダウンタウンの中心部にある中央図書館はカナダでも有数の美しい建物として知られていて、ぜひ一度訪れてほしいスポットです。



今後さらに発展していきそうな活気も感じられました。
カルガリー生活のデメリット
続いてデメリットを紹介します。
- 冬は本当に寒い
- 遊べる場所は少ない
- 交通の便はバンクーバーに劣る
デメリット① 冬は本当に寒い
冬場の寒さは想像以上でした。
マイナス20℃〜30℃になる日も珍しくなく、顔や手が一瞬で痛くなる感覚は初体験。
外出するにはしっかりした防寒対策が必要で、冬が苦手な人にはつらい時期もあるかもしれません。
デメリット② 遊べる場所は少ない
バンクーバーに比べると、カフェやショッピング、エンタメ施設の選択肢は限られています。
都会的な遊びやグルメを楽しみたい人にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。
デメリット③ 交通の便はバンクーバーに劣る
カルガリーにも公共交通機関(C-Train、バス)はありますが、カバーできる範囲は限られていて、バンクーバーほど便利とは言えません。



ダウンタウンに住めば不便は少ないですが、郊外に住むなら車があった方が良い場面も多いです。
カルガリーは「落ち着いて生活したい人」に向いている
総合的に見ると、私にとってカルガリーは、暮らしやすさ重視の人にぴったりの場所でした。
都市としてのにぎやかさや多様な娯楽を求めるなら物足りないかもしれませんが、自然や落ち着いた暮らし、英語環境を求める人には本当におすすめできる街です。
カルガリーとバンクーバーの比較表
両方の街に住み、街の雰囲気や生活スタイルには大きな違いがありました。
ここでは、私自身の体験をもとに、両都市の特徴をわかりやすく比較してみます。
項目 | カルガリー | バンクーバー |
---|---|---|
英語環境 | カナディアンが多く英語を使う機会が多い | アジア系が多く、日本語もよく聞こえる |
生活コスト | 家賃・物価ともに安い | 家賃・物価が非常に高い |
天気 | 晴れの日が多く、乾燥している | 冬は雨が多く、曇りがち |
冬の寒さ | 非常に寒い(−20℃以下になる日も) | 温暖で雪が少ないが、雨が多い |
自然へのアクセス | バンフ国立公園まで車で約1時間半 | 近郊に山・海があり、自然も豊か |
街のきれいさ・治安 | 街並みが整っていて、ホームレスも少なめ | ダウンタウン周辺にホームレス・薬物問題が目立つ |
遊び・エンタメ | 少なめ。落ち着いた生活向き | カフェ、ショッピング、グルメなど都市型の楽しみが豊富 |
交通の便利さ | 郊外は車必須。C-Train・バスありだが範囲限定 | バス・スカイトレインが発達。車なしでも生活しやすい |
どちらが向いている?
- カルガリー:英語環境にどっぷり浸かりたい、生活コストを抑えたい、自然の近くで落ち着いた生活がしたい人
- バンクーバー:都会の便利さも自然も楽しみたい、雨の日が気にならない、アジア系の環境に安心感を感じたい人
Q&A|Co-op留学中の都市変更・カルガリー生活に関するよくある質問
ここでは、私自身が引っ越しを決める前に気になっていたこと、実際に引っ越してからよく聞かれた質問についてまとめました。
まとめ:行動することで何かが起こる
バンクーバーでの生活に少しずつ違和感を感じ始め、思い切ってカルガリーへの引っ越しを決めた。
最初は不安もありましたが、環境を変えたことで、やりたかった仕事も見つけられ、生活コストも抑えられ、何より前向きな気持ちで毎日を過ごせるようになりました。
都市を変えることは、決して簡単な選択ではないかもしれません。しかし、今の環境に違和感を覚えたなら、「場所を変える」という選択肢を持っていてもいいと思います。
あなた自身が心から納得できる環境で、次の一歩を踏み出せることを願っています!
コメント